良いアンサンブルをしましょう

ちょっとTwitterで後輩のTLを読んでいたら長年の疑問に答えを見付けかけたような気がするので頑張って文章にしてみる(たぶん上手くいかない)。何度目か分からないが、「上手い演奏より良い演奏をしましょう」っていうお話です。これ中学の時の顧問から聞いた話だから、かれこれ10年近く自分の信条になってしまっている。

楽器がものすごく上手い人たちがチョロッと集まって、楽譜を用意して、1時間か2時間くらいでササッと譜読みしてリハッて、はい本番。どうぞお聴きください、超絶上手い演奏、拍手喝采。…みたいなのって、それはそれで楽しいし面白い演奏だし好感も持てるのだけど、やっぱり感動しない。技術的にはヤベェスゲェって感動するけど、なんだろう、音楽として感動しない。することもあるが、稀である。

結構、楽器が上手くなった上級生がこの罠に陥りやすいようで、いつだかの夏合宿でトレーナーの先生が「どんなに上手い人でもしっかり時間をかけて練習したものを人に聴かせるようにしなさい。じゃないと、それは失礼な演奏だ。」という話をしていたのを覚えている。舞台上で幾ら素晴らしい技術を披露しようと、やっぱり薄っぺらな演奏は露呈してしまうのだろうと思う。

初心者も経験者も入り乱れた楽器弾きたちを寄せ集めて、アンサンブル仲間になって、練習日程調整して場所取って、2ヶ月とか3ヶ月とか時間かけて試行錯誤の末なんとかかんとか演奏が形になって、夏合宿とかで披露して、拍手喝采。こういう演奏って、上手とか下手とか抜きに結構マジで感動させられたりする。そういう経験が何度もあります。これとか→id:epytoerets:20070910:p1

「上手い演奏」「良い演奏」両方やれればベストだけど、特に後者抜きにして人を感動させることは難しいということだと思います。なぜなのか。

恋愛に喩えてみる

  • 「アタシ、いままで20人以上の男と付き合ったんだ!(ドヤッ
     恋愛のことならアタシに任せて!(ドヤドヤッ」

たぶん、「上手いだけの演奏」って↑こういうことなんだと思う。
友達にこういうヤツがいると話題に絶えないので面白い。酒の席なんかで、いままでどんな男がいたかっていう話を次々にしてくれたりするのは楽しくて仕方ないだろう。でも、じゃあそいつを友人として尊敬できるかと言えば、些か疑問である。

  • 「いまの彼氏と付き合って7年目です!」

きっと「良い演奏」は↑こういうことじゃないだろうか。こういうヤツが友達にいると、その彼氏とどんな風に出会って、いままでどんな変わったデートをしたとか、マンネリしたときはこんな風にしたとか、倦怠期をどう脱したとか、何回くらい旅行したとか、どこに行ったとか、ケンカしたとか浮気したとか仲直りしたとか、付き合い始めてから今日まで2人の関係はこんな風に変わったとか、そういう話を酒の席でしてくれることだろう。そしてこういう友人は、なんだかんだで将来幸せになって欲しいな、と思わずにいられない。…なんだか後輩にそんな子がいたような、いなかったような、モニョモニョ。