⊂二( ^ω^)⊃ぶーん

GOD先輩に触発されて、俺も「どこでもドア」ネタ。

例えば、俺が自宅から大学まで楽譜を持って行くと2時間半かかってしまう。けど、楽譜をデータで持っていれば大学にいるノブ子にメールで送り、印刷してもらうこともできる。これなら、連絡を上手く取り合えば10分ほどで済むわけだ。俺が自宅に持っている方の楽譜はもう必要ないので、捨ててしまうか棚の奥に片付けてしまう。

さて、ここで状況を整理してみよう。

最初は俺が楽譜Aを持っていて、ノブ子は持っていなかった。楽譜Aのデータを送り、ノブ子が大学で印刷すると、俺のもの(楽譜A)とノブ子のもの(楽譜A')で合計2部となる。そして最後に、俺が楽譜Aを捨ててしまったので、残ったのはノブ子が持っている楽譜A'だけとなる。

このとき、楽譜Aと楽譜A'が区別できないとなればどうだろう。いや実際、ほとんど区別できないんだけど。状況だけを見れば、俺が始めに持っていた1部の楽譜が10分程度で大学まで移動したのと同じ結果と言える。これは、俺の自宅にもノブ子のいる大学にも、「楽譜のデータ」と「印刷機」があり、同じ楽譜を造り出す準備ができているから可能だったわけだ。この2つがセットになり、楽譜専用のどこでもドアを形成していると言える。

さて、実際のどこでもドアは楽譜だけではなくて、いろいろなものを転送できなければならない。例えば、人間とか。

つまり、楽譜を「転送」したときと同じことを人間でもやれば良いわけだ。自宅から大学まで一瞬で移動できる。夢の道具。まず自宅側のどこでもドアが俺をスキャンする。髪の毛の本数から足のシワの本数まで、思考パターンや感情や記憶(どこでもドアに入る直前までの)などを全てデータにしてしまうわけだ。そして、大学側のどこでもドアが俺を「印刷」する。相当な技術がなければ出来ないが、送られてきた俺という人間のデータを元に人間を1人造り出す装置が備わっている、ということになる。2時間半の道のりを、データで送れば一瞬で済んでしまう。

しかし、もうお気づきだろうか、これではまだ楽譜のときと状況が同じではない。なぜなら、まだ自宅側にも「俺」が残っているからである。転送されたのと同じ結果を生み出すには、自宅側の「俺」を消さなければ完了ではないのだ。人間を消す、つまり自宅側の俺はこの時点で殺されなければならない。

このことを考えると、どこでもドアを実現することの恐ろしさが見えてくる。

仮に上記の方法でどこでもドアが実現したとして、大学側に「移動」した方の俺は、移動前の俺と移動後の俺が別個体である事実を知っているだろうか。どこでもドアを使用する直前までの記憶はしっかり「印刷」されているので、知らない可能性が極めて高い。移動前と移動後の俺は同一の個体であり、さも自分はどこでもドアで移動してきたものだと思っている、というわけだ。そして仮に知らないとなれば、またどこでもドアを使うに違いない。なんて便利な道具なんだ、じーまーでばいやーっすよ先輩、なんつって。しかし実際に次に使う時は、次はコイツが移動前の方の個体となるので、結果として殺されなければならないのである。そして、この「俺」はその事実を知らないわけだ。実に恐ろしい。

さらに言うと、その殺される方の個体と、替わって活動を始める個体の区別が全く付かないようなら、周りの人間もこの事実に気付くはずがないので、さらにどこでもドアを利用する確率は高まって行き。。。

あ。
面倒になったのでここで終わり。続きはきっと長島かピグモン先輩が書いて下さると期待してます。

♪いま聴いてる曲
チェロ協奏曲 第3楽章 / ドヴォルザーク
( Julian Lloyd Webber(Vc.) × ノイマン × チェコフィル )