-1+1 < -200+200

昨日のバイト中に野中くん(仮名)とこんな話をした。面白かったから書いておく。タイトルの数式の間違いに対するつまらないマジレスはいらない。

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いつまで経っても客に覚えてもらえないようなバイトがいる。そういうやつの特徴は、総じてクレームを出さないこと。ロボットなのだ。だから「作業」は完璧にこなす。一方で、常連に気に入られているような店員は、それなりの回数、客にキレられている。

人間は良いところも悪いところもあって、そしてだいたいの人間はそれがプラスマイナスゼロである。これは仕方のないことというか、人間というのは結局のところそういうものだ。

これはマイナス要素を排除する努力を怠って良いという意味ではない。誰しもが常日頃からしている努力を加味して、ようやくプラスマイナスゼロになっている。だから相当な人徳者というか、変人/超人レベルにならないとプラス100くらいにはなれない。われわれ凡人がプラス100を目指してもダメってことだ。ゴールが違う。

しかしプラスマイナスゼロの凡人たちでも、人に好かれる人とそうでない人がいる。本記事のタイトルからだいたいこの先の話は予想できるだろうが、-1+1くらいで合計プラスマイナスゼロの人と、-200+200くらいで合計プラスマイナスゼロの人がいる。たぶん、後者は人に好かれる。なぜなら人に嫌われるから。

チャラ男を例に挙げてみる。はっきり言うがチャラ男はある程度モテる。そういうタイプが好きな女の子は結構いるからだ。ただし、チャラ男を嫌う人間も男女問わずたくさんいる。要するに彼は200人くらいに嫌われているけど、200人くらいの友人に囲まれて生きている。これが-200+200だ。

引きこもり且つ活動的なことを全然しない学生を例に挙げる。彼は1人の友達がいて、1人の隣人にキモがられている。これが-1+1だ。彼に関心を示している人間の数は、先述のチャラ男の例と比べると398人も違う。

チャラ男になれ、とは言っていない。あくまで一例である点に注意してもらいたい。

どこで差がつくのか

最近の若い子を見て感じることは、みんな出来るだけガンバッて「普通の」人間になろうとしている。つまりそれは、マイナス要素を出来るだけ持たない人間になろうとする、ということだ。そんなことばかり気にしているからプラス方向にはいつまでも動かない。こうして、ゆとり世代以降-1+1な人間が量産されているように思う。彼らは、きっと明日以降も自分の「-1」をどうやったら消せるかということばかり気にしているだろう。そして、きっと永遠にそのままだ。

では-200+200くらいの人間はどうしてそうなったのか。答えは簡単で、自分のマイナス面がマイナス方向に伸びていくこと(マイナス評価を与えてくる他人の数)を気にしなかったっからだ。好き放題やった。だから+200くらいになっていた。-200なんてことは彼は気にしていない。明日には-250+250くらいになっているかもしれない。

魅力的な人間とは、要するにそういうことだと思う。