時の咆哮

人の気持ちは解らない。
同じ人として生まれて来た以上、それは永遠の課題でもあろう。
それは「ゆく河の流れ」のようでもあるし、
また「よどみに浮かぶうたかた」でもある。

素直であれば、誠実であれば、物事はいくら変化してもいいのだ。
時に優柔不断なようであっても、自分の気持ちには素直でありたい。
そう思う。それが俺の選ぶ生き方だ。

何があろうと、俺はこの生き方を変えようとは思わない。
相手が自分だろうが他人だろうが、その心は誠実でありたいものだ。

2年近くの歳月をかけて築き上げた関係がある。
たくさんの思い出を作ったが、思い出になってしまえば、それはただの思い出である。
額縁に入れて飾ってしまえば、もう変化させることはできない。
河の流れを止めてしまえば、愛することもまた止めてしまうということだ。

今は涙が止まらない。
それは、この関係が依然変わりなく「ゆく河の流れ」であるからだ。
まだそこには愛がある。河の流れを止めるわけにはいかないのだ。
音楽を愛するように、俺はその女性を愛している。

まだ、大切なものを失いたくはない。
願わくば、末永く。


ゆく河の流れは絶えずして、
しかももとの水にあらず。

よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、
久しくとどまりたるためしなし。

世の中にある人とすみかと、
またかくのごとし。

♪いま聴いてる曲
交響曲第1番『巨人』花の章 / グスタフ・マーラー
( 小澤征爾 × ボストン交響楽団 )