Twitterやっていた頃の思い出なんだけど、自分がやめる直前くらいの時期に、
- #私のこと好きなひとRT
- #私ともっと仲良くなりたいひとRT
こういうのをタイムラインで頻繁に見かけるようになった。
申し訳ないが、笑っちゃうくらいキモい。自分に言わせれば、こうしたハッシュタグをツイートしたり、それをリツイートしたりする行為は、喩えるなら渋谷の109の前の交差点の真ん中で嫁と抱き合ってキスする行為に他ならないからだ。
そもそもRTとはどういう機能か
Twitterを使ったことがない人にも分かるよう、先に少し用語解説をしておくと、
- ツイートする:140文字以内の単文(ツイート)を投稿する
- フォローする:そのユーザのツイートが自分の画面に掲載されるように設定する
- タイムライン、TL:フォローしたユーザたちのツイートが時間順に並んだ画面
- リツイート、RT:別ユーザのツイートを、自分をフォローしているユーザの画面に表示させる
という意味だ。
上記の「#私のこと好きなひとRT」を翻訳すると、
この画面を見ているあなたへ。もし私のことを好きだと思うならば、そのことをあなたの投稿を購読している人たちの画面に表示してください。
ということになる。文字に起こすと異常にややこしいが、RTとはそういう機能だ。
「フォロワーのフォロワー」≠「友人の友人」
もうお気付きだろうが、自分をフォローしている人(フォロワーという)をフォローしている人って、結構遠い間柄だ。「友人の友人」ですらない。さらにTwitterの匿名性は半端じゃあないので、大概は顔も名前も分からない、喋ったことも、会ったこともない人たちだ。
つまり、それは渋谷の交差点ですれ違う赤の他人と同じだ。
そんな赤の他人に、わざわざ自分と友人の友好関係を周知する行為なのだ。これは2人きりで部屋にいるときに素敵なムードの中でささやかれる「愛してるよ」のセリフなんかとは訳が違う。交差点の真ん中で嫁とキスするようなものなのだ。だってわざわざ人前に出て行く(RTさせる)ことを意図しているのだから。
「嫌なら読むな」の意味を勘違いしている馬鹿の話
こういう話をすると、必ず「嫌なら読むな」と言う人間が一定数湧く。
知らない人の為に、フォローについて少し詳しく説明する。
Twitterでは自分以外の全てのユーザに対し、
- ツイートを読む(フォローする)さらに、そのユーザによるリツイートも表示する
- ツイートは読む(フォローする)しかし、そのユーザによるリツイートは表示しない
- ツイートを読まない(フォローしない)
という設定を個別にすることが可能だ。
そんなわけで、Twitterでは情報を受信する側が能動的に受信しているという仕様になっている。上記のようなキモいハッシュタグが自分のTLにRTされてくるのも、元を辿ればそういうRTをするユーザをフォローした自分が悪いとする理屈が「嫌なら読むな」の理論である。
じゃあ「フォローしない」「RTを表示しない」というのは渋谷の喩えだとどういう意味になるだろうか。
それは「渋谷に行かない」「交差点に行かない」という意味に他ならない。
例えば自分が、渋谷の交差点の真ん中で「いまから嫁とここでキスします!キモいと思う人は渋谷に来ないでください!」って言ってキスし始めたら、嫌なら読むなの理論が大好きなあなたたちは渋谷に来なくなりますか、という話だ。どちらが常識から外れているかは明白なのだ。
結論:愛は2人きりで囁け
渋谷の交差点の真ん中じゃなくて、愛に溢れる自宅の寝室なら構わない。
#私のこと好きなひとRT
ではなくて、
私のこと好きなひとは「好き」ってリプライください。
これで良いんじゃない?と思う次第だ。