ロールスロイス

ふと、自分には「座右の銘」がないことに気付いた。
友達がバトンで座右の銘を聞かれて、サラッとかっこいいことを書いてたのを見て、いたく感動した。俺は何だろうと一生懸命2秒くらい考えてみたんだけど、まるで浮かばなかった。
どうしたものか。
19年間、自分はどのような信念に向かって歩いていたのか。

いきあたりばったり、である。じゃあ、これが座右の銘か。
それは流石に芯がなさ過ぎるんじゃねーかと思う。
でも確かに、なるようになれ、という感じに歩んできたのは確かだ。危機的状況に陥ると、どうしようもなく焦る反面、3割くらいはその状況すら楽しんでいる俺がいる。自他共に認める楽観的人間だ。

トランペットをかなり本気で練習して、良い音色を突き詰めて探していた頃も、自分なりに見付けたキーワードは「気楽」に吹くというものだった。実際、腹筋と唇を張らせる頬の筋肉以外は極力、楽にしておいた方が良い音色で吹けたしね。

流石に大学受験とか、話しが大きくなると狼狽えるけども。
要は状況の度合いにもよるということだ。

デスノート。俺が大好きな漫画の一つだけども、ある登場人物が言った台詞にこんなものがある。
「捜査というのは決めつけてかかり、間違ってたら『ごめんなさい』でいいんです。」
超適当って感じだけど、なぜか好きな台詞。

ちなみにこの漫画、顔さえ知っていれば名前を書くだけで人を殺せるノートが登場する。常に、少しでも間違ったことをすれば名前がバレて殺される状況でストーリーが展開する。
にも関わらず、この人物は当初、全くと言っていいほど証拠を掴んでいなくて推測のみで犯人を決めて付けていた。かなり危険な行動である。結果的には正解だったんだけど。
ある工夫をして、名前がバレても殺されない状況を作り出した人物もいたけど(その人物は結局死ぬけど最後まで名前は分からなかった)、それには相当の予備知識と「読み」が必要だった。

レベルE。こちらも俺が大好きな漫画であるが、あるとき主人公がこんなことを言う。
「じゃ、予定変更、僕が悪の大王やるね」
いきなりラスボスが変わる、すげえ漫画。

何とも行き当たりばったりなことか。
しかし何故か、こういう適当な台詞を言うキャラクターにこそ魅力を感じてしまう。特にレベルEの主人公なんか、かなり滅茶苦茶なんだけど、そこが大好き。

それでなんとかなるものなのだ。実際、俺の人生いままで色々なことが「なんとかなってきちゃった」のである。だから人一倍努力するだとか、そういうことをした経験はそれほどない。
腑抜けである。

…いかん、随分脱線した。
座右の銘、これだな。少し考えてみたがやはり思い付かない。
座右の銘無し、これも考えようによっては座右の銘か。
それもなんだかなあ、情けない感じがする。日本人ならやはり(関係ないか)、座右の銘くらい聞かれたらかっこいいことを言いたいものだ。

気楽、上の方で出ていた。これだろうか。
別に悪い言葉ではない。
何かの本とかでばったり出会ったというよりは、自分で突き詰めて見付けた言葉でもある。
では、いまのところこれか。

しかし腑に落ちない。
もっとズバッという感じの言葉を見付けたいものだ。