就活雑記

就職活動がほぼ終わったので、自分なりの所感です。チラシの裏。これから就活をする誰かの為に役立つような記事ではありません。

就活は純粋なマッチング作業である

就活とは、第一義的には「企業が求める学生」と「学生が求める企業」が最良の組み合わせを模索する為だけの純粋なマッチング作業です。作業なんだから、運や効率が良い人は早く終わります。なかなか終わらない人は根気よくやるしか無いし、逆に根気よくやっていれば必ず自分の能力に見合った、自分を活かせる企業に出会えるということです。

他の就活生を見ていて、この最も基本的な部分を勘違いしてしまっている人が多いな、と感じました。

恋愛に喩えてみる

つまり就活とは「企業が学生を選ぶこと」ではなくて、企業と学生が「お互いに選ぶこと」です。最近流行の「婚活」に似ていると思います。または、学生たちの恋愛の様子に似ています。もちろん、男より女の方がモテるので(通例ですので例外多数)、女の方に多少のイニシアチブがあります。

就職活動をしている学生は「○○ちゃん(=企業)がちょっと気になる現在フリーの男」という感じです。○○ちゃんに群がる男は他にもたくさんいますから、そこには競争が発生しています。本気で○○ちゃんを彼女にする(=内定を貰う)には、その「他の男たち」の中から勝ち残る必要があります。ただし、○○ちゃんは多少気になっている程度なので、本気でアタックをかける前に、他の□□ちゃんや△△ちゃんに気移りするかも知れません。そんな感じです。

企業は「特定の好きな人がいるわけではないけど今年中に彼氏が欲しい(=新卒採用をする)現在フリーの女」という感じです。モテる女子(=大企業)にはイケメン(=そこそこ能力のある学生)がたくさん言い寄ってきますし、そんなにモテない女子に言い寄って来る男はそこまで多くはありません(=倍率が低い)。当然、彼氏にする男は誰でも良いというわけはなく、「ワタシの理想のタイプ(=求める人材)は○○な人!」というのがあります。そして、それをみんなに教えてくれます(=企業説明会)。それにマッチしている男(正確にはマッチしていることを上手にアピールできた男)が自然に選ばれて、彼氏になります。そんな感じです。

だいぶ無理矢理ですが、恋愛に喩えるとそんなイメージです。

就活は「攻略本が必要なゲーム」「100点評価の試験」ではない

世の中には、いろいろな就職活動対策本、webサイト、講座などがあるようです。

  • エントリーシートにはこんなことを書け
  • 履歴書にはこんなことを書け
  • 面接ではこんなふうに部屋に入れ
  • こうやって挨拶をして座席に着け
  • 面接官にはこんなことを言うと良い

という様なことが書いてあるんだそうですが、自分は一切利用したことがありません。部屋への入り方とか挨拶の仕方とか、そんなことに拘ることが就職活動ではないからです。もちろん全く気にしなくて良いというわけではありません。自分の結論としては、「企業の人に失礼なヤツだという印象さえ与えなければ自然体でOk」です。

恋愛の例に戻ります。こうした就職活動対策は、所詮は本屋に売っている「女にモテる為の方法」でしかないということです。

  • ラブレターにはこんなことを書け
  • 誕生日にはこんなものを買え
  • こういう服装をして髪型を整えろ
  • こういう話題で盛り上げろ

こんな程度の話なんです。ゲームの「攻略本」ではありません(ゲームは攻略本通り進めれば必ずクリアできる)。女の子たちは確かに彼氏募集中ではありますが、上記の方法を全部試せば必ず彼女に出来るかというと、そういうわけではありませんよね。ましてや、この「女にモテる為の方法」を基準に男に100点評価で点数を付けて、点数が高ければ必ず彼氏にする、なんてこともありません。

企業を「攻略」しに行っているだけの学生、就活を「試験」だと思ってしまっている学生というのは、つまり「女にモテる為の方法」を通り一遍にこなせれば必ず彼女が作れると勘違いしている男と変わらないということです。

これから就職活動をする人に

本日二本目の記事。こっちはもうちょっと真面目なことを書きます。

  • 意味付け
  • 好奇心

がキーワードです。

意味付け

自分は一浪一留というクソッカスな学生です。いまは無事に内定も貰えてホッとしているし、多少偉そうに他人にアドバイスしたりしていますが、ぶっちゃけて言うと就活では相当不利だったはずです。世間一般的にも、それ以前に常識的にも、一浪していて一留もしている学生というのは「ロクなヤツじゃねえんだろうな」と思われるのがデフォです。

「なんで留年しちゃったの?」
これ、ほぼ間違いなく面接官に聞かれます。そこで「これこれこういうドジやらかして留年しました。以上」という内容で答えるとお祈り余裕です。重要なのは留年したらこんな良いことがあった・成長したという話を同時にできるかどうかです。これは要するに、自分自身が留年したという事実をどう捉えているか(=意味付けができているか)がしっかりしていないと話せない内容になります。

「家が遠いのに一人暮らししなかったの?」
こういう質問って結構多いです。要するに、意識していなければ「あ、はい。」で済んでしまう質問です。または「まあ通える範囲でしたから」とか「自分は電車に乗ることが苦ではありませんから」とかいう当たり障りのない答えで終わってしまいます。マイナスでもないけど、プラスでもありません。よくいるモテない男(キライじゃないけど魅力も無い人)になってしまいます。例えばこういう、普段の何気ないようなことでも「電車に長時間乗る学生生活だったので、車内広告を目にする機会が人一倍多かった。どの時期にどんな広告が掲載されてるかを見ていて、一年間の流行とか、社会の流れとかを感じた。広告に興味を持った。」とか「移動時間に勉強するようにしたら1日3時間くらいの勉強時間は確保できた。時間の使い方が上手くなった。」という話だってできるわけです。

これが「意味付け」です。

好奇心

これは個人の性格に依るところが大きいのでアドバイスになるかどうかは分かりません。簡単に言うと「就活を楽しめ」ってことです。以前にも書きましたが、少し目線を変えれば就活もかなり楽しいです。

都内のいろんなところに行けますし、企業説明会も出来るだけ興味を持って聴くようにすれば様々な業界知識が増えて、それだけで少し成長できます。面接も、確かに自分は評価される立場ではありますが、面接官をやっている人は大抵話しやすくて、ステキな人が多いです。自分は他人と喋ることが大好きだったので、面接も本当に楽しんでやれました。もちろん最初は緊張しましたが、それも演奏会本番みたいな不思議な高揚感のある良い緊張でした。

要するに何事も好奇心を持ってやれ、ということです。ある面接官に「好きな言葉は何だ」と聞かれて「好奇心です(キリッ」と答えた時はさすがに爆笑されましたが、就活が苦であったりストレスであったりする間は、良い出会いは無いのではないかとも思うわけです。